借地権とは ?所有権より安くマイホームを実現する方法

借地権とは どういうものかご存じでしょうか?
「マイホームを持ちたいけれど、土地が高くて無理かも……」
そんな風に悩んでいる方に、ぜひ知ってほしい選択肢。
それが「借地権(しゃくちけん)」です。
こんにちは、大樹不動産です!
借地権 という言葉、あまり聞き慣れないかもしれませんが、うまく活用することで、土地と合わせて購入する所有権よりも、コストを抑えて家を持つことができる可能性があります。
今回は、借地権の基本から、メリット・デメリット、どんな人に向いているのかまで、わかりやすく解説します。
借地権とは ?ざっくり説明すると…
借地権とは 、他人の土地を借りて、その上に建物を建てる権利のことです。
つまり、「土地の所有者=地主」から土地を借りて、「建物の所有者=借地人」が家を建てて暮らすというスタイルです。
土地を借りて家を建てることで、土地の購入費が抑えられ、その分安く住宅を手に入れることができます。
借地権の制度は古くから存在し、都市部では特に活用されてきました。
最近では、都市部の地価上昇やライフスタイルの多様化を背景に、再び注目されるようになっています。

ちなみに、借地権が設定されている土地は、地主さんの立場からみると「底地(そこち)」と呼び、貸している土地の所有権のことを「底地権(そこちけん)」と呼ぶこともあります。
また、持ち家について「借地権か所有権か」という話題が出たりもするのですが、これは建物だけ所有している(土地は借りている)借地権か、土地も建物も全部所有している所有権か、という
意味になります。
借地権で家を持つって、どういうこと?

所有権と借地権の違いを簡単にまとめると、以下のようになります:
- 所有権:土地と建物を購入し、すべてが自分の資産になる。価格は高め。
- 借地権:土地は借りて、建物だけを自分の資産として持つ。価格を抑えられる。
借地権付きの物件を選ぶことで、同じエリアでも購入価格を2〜4割ほど抑えられることもあります。
これは特に、都心部や人気エリアで顕著です。
例えば、所有権付きの土地付き一戸建てが5,000万円の地域で、借地権付きなら3,000万円台で購入できるケースもあります。
借地権の種類

借地の権利にはいくつか種類があり、大きく分けると次の1つになります。
- 普通借地権
- 定期借地権
普通借地権とは
- 原則として契約期間は30年以上。
- 契約終了後も、原則として借地人が希望すれば更新可能。
- 長く住み続ける予定の人に適しています。
昔からの借地契約はこちらに含まれ、1992年8月に定期借地権が導入されましたが、旧法借地権(普通借地権)が続いているケースが圧倒的に多いです。
定期借地権とは
- 50年や70年など、契約期間があらかじめ決まっています。
- 契約期間満了後は更新不可。建物を取り壊し、更地で返却することが多いです。
- 「終の住処」として一定期間暮らしたい人におすすめ。
なお、事業用や建売住宅用など、さまざまなタイプの定期借地権も存在します。
1992年8月に施行された借地借家法に定められた比較的新しい借地権です。
借地権のメリット・デメリット

借地権には土地と建物の持ち主が違う、という点から、メリットとデメリットがそれぞれあります。
メリット
- 土地の購入費がかからないため、初期費用が抑えられる
- その分、建物や内装に予算をかけられる
- 都市部でもマイホームが持ちやすくなる
- 建物は自分の資産となる
- 相続対策としても柔軟な運用が可能
デメリット
- 地代(月額1〜2万円前後)の支払いが発生
- 建て替え・売却には地主の承諾が必要
- 金融機関によっては住宅ローン審査が厳しくなる場合も
- 契約条件や更新の際の交渉に注意が必要
- 市場価値が所有権に比べて下がりやすい
借地権付き住宅はこんな人におすすめ!

- 希望のエリアに家を持ちたいが、土地の価格が高い
- 家を建てる予算に限りがある
- 終の住処として割り切った選択ができる
- 中古住宅やリノベ前提の物件でもOK
- 柔軟に住み替えを検討している
また、子どもが独立して家を小さくしたい、老後の暮らしをコンパクトにしたい、という世代にも向いています。
物件を検討する時の注意点

借地権付き住宅を選ぶ際には、以下の点を必ずチェックしましょう:
- 契約内容(借地期間、更新の可否など)
- 地代の金額と支払い方法
- 建て替え・売却時の地主の承諾条件
- 承諾料や名義変更料の有無
- 地主との関係性やトラブル事例がないか
- ローンを組む金融機関の対応(借地権に寛容かどうか)
これらは一見複雑に感じるかもしれませんが、不動産の専門家に相談すれば安心して進められます。
よくいただくご質問です

ここで、借地について、よくいただくご質問もご紹介します。
Q. 地代は途中で上がるの?
地代は基本的に契約時に定めた金額を支払い続けます。
ただし、契約内容によっては「物価上昇に応じて見直し」「一定期間ごとに改定交渉を行う」といった条項が盛り込まれていることもあります。
地主側から地代改定の申し出があった場合は、借地借家法に基づき、両者で話し合いを行います。
もし合意に至らない場合は、裁判所が妥当な額を決める『賃料増額請求訴訟』に発展することもあります。ただし実務上は、双方譲り合いのもと落ち着くケースが多いです。
Q. 地主が代替わりしたらどうなるの?
地主が相続や売却によって代わった場合でも、借地権はそのまま引き継がれます。
新しい地主が現れても、既存の借地契約は法的に有効ですので、契約内容が急に変更されることはありません。
ただし、新しい地主と良好な関係を築くことは、今後の承諾料交渉や更新時において大切です。
Q. 途中で地主に土地を売ってもらうことはできる?
地主が希望すれば「底地を売却する」という選択肢も出てきます。
借地人としては、底地を買い取ることで完全な所有権にすることができます。
ただし、売却は地主の任意ですので、交渉や価格面でのすり合わせが必要です。
最近では、借地権と底地を一体で売買する『借地権・底地整理』が行われるケースも増えています。
大樹不動産でも、こうした整理交渉の実例を多く扱っています。
Q. 借地権と底地の違いは?
簡単にまとめると以下の通りです:
- 借地権: 土地を借りて家を建てる権利(借地人が保有)
- 底地: 土地そのものの所有権(地主が保有)
地主は底地を持ち、借地人は借地権を持つという「分かれた権利関係」になっているのが特徴です。売却や相続のタイミングで両者が協議し、一本化されるケースもあります。
まとめ|借地権は「土地を買わない合理的な住まい方」

借地権という制度は、特に都市部や地価が高騰しているエリアで「土地を買わない新しいマイホームの持ち方」として再評価されています。
所有権にこだわらず、住環境を優先し、将来設計に合わせて柔軟に暮らせるのが借地権の大きな魅力です。
もちろん、地代の支払いや地主との関係、建て替え・売却時の承諾など、注意すべきポイントも多くあります。
しかし、これらのポイントを事前にしっかり把握し、適切に対応すれば、大きな問題にはなりません。
また、借地権は相続税対策や資産形成の観点でもメリットがあります。資産を次世代にうまく引き継ぐ手段として借地権を活用されるご家族も増えています。
借地権を検討するときは不動産のプロに相談を

借地権は、少し複雑に感じられる制度かもしれません。そして借地契約の内容や交渉の進め方によっては大きく条件が変わることもあります。
だからこそ、借地権に詳しい不動産の専門家に相談することが非常に重要です。
契約書の読み方、承諾料の相場、地主との交渉のポイント、将来売却する際の注意点、ローンの借入先など、プロの視点があるだけでリスクを大幅に減らすことができます。
そして、借地権を活用すれば、土地購入の費用を抑えて、理想の住まいを実現するチャンスが広がります。
特に都市部や地価の高いエリアでは、「所有権にこだわらない」という発想が、経済的にも心理的にも大きなゆとりを生むことがあります。
もちろん、地代や地主との関係、契約内容など注意点もありますが、正しく理解し、信頼できる専門家と相談しながら進めれば、大きなデメリットにはなりません。
マイホーム=土地購入という常識にとらわれず、借地権という選択肢もぜひ検討してみてください。
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