借地権てどういうこと?初めての方にもわかりやすく解説します!

「借地」「借地権」 についてのご相談は、弊社の得意分野の一つなのですが、一般的には馴染みのうすい言葉ではないでしょうか?

(ちなみに「かりちけん」ではなく「しゃくちけん」と読みます。)

今回は借地の権利、借地権について、お伝えしていきます。

借地権とは「土地を借りる権利」です

家や建物を建てるためには土地が必要ですが、すべての人が土地を所有しているわけではありません。
昔から、「土地は地主のものだけれど、その上に他人が家を建てて住んでいる」というケースは多く見られます。

このように、他人の土地を借りて建物を建てる際に発生するのが「借地権(しゃくちけん)」です。
つまり、借地権とは、土地の所有者(地主)から土地を借り、その土地に建物を建てて使用できる権利のことを指します。

同じ土地で、借地人からすると借地ですし、土地の所有者からすると底地となります。

借地権には種類があります

借地権といっても、実は2つの種類があります。

1. 普通借地権(ふつうしゃくちけん)

これは、一定期間(土地を借りる契約期間)ごとに更新していく借地契約です。

  • 最初の契約期間は30年が一般的
  • 更新後は20年、その後は10年ごとに更新(それより長く設定することは可能)
  • 地主さんが「もう貸したくない」「土地を返してもらいたい」と思っても、正当な理由がなければ断れない

つまり、土地を借りている人からすると安定して長く住み続けられる借地権
地主さんからすると、いつ返してもらえるかわからない、不利な借地契約になります。

弊社にご相談いただく借地権はほとんどがこの旧法の借地権です。

2. 定期借地権(ていきしゃくちけん)

こちらは、更新ができない借地契約です。

  • 契約期間が満了すると、必ず土地を返すことになります
  • 期間は50年や70年など長期の設定となっており、あらかじめ契約終了が決まっています
  • 建物は原則、取り壊して更地にして返却する

旧法の借地法では、契約が更新され続け、地主さんに不利な状況があったために、1992年(平成4年)にできた比較的新しい法律です。

借地権付きの家を相続したらどうなる?

もし、親御さんなどから借地権付きの家を相続した場合、気になるのは次の3つではないでしょうか?

相続するイメージ

1. 借地権付き建物を相続しても、土地は自分のものにならないの?

土地はあくまで地主さんのものなので、自分の土地にはなりません。
相続するのは「土地を借りる権利(=借地権)」と「建物の所有権」です。

そのため、相続後も、毎年または毎月、地主さんに「地代(ちだい)」を払う必要があります。

2. 名義変更って必要なの?

はい、名義変更は必要です。
建物の名義変更(登記)だけでなく、地主さんにも「借地人が変わった」ことを伝えないといけません。

これを放っておくと、後々トラブルになる可能性があるので、なるべく早めに対応しましょう。

3. 売却や建て替えは自由にできる?

基本的にはできますが、地主さんの承諾が必要なケースがほとんどです。

  • 売却 → 地主の承諾
    名義書換料(譲渡承諾料とも言います)を地主さんに支払うことが多いです
  • 建て替え → 地主の承諾と、契約条件の確認

「土地は自分のものではない」という点をふまえて、慎重に進める必要があります。

借地権があることで起きやすいトラブル

借地権は昔からある制度ですが、こんなトラブルも起こりがちです。

  • 地主と借地人の関係が悪くなり、更新トラブルに発展
  • 地代がずっと未払いで、地主から契約解除を求められる
  • 相続したけど手続きせず放置
    → 建物の老朽化+地主さん近隣の方に迷惑がかかってしまう

特に「親が借地権付きの家に住んでいたが、亡くなってからどうしていいか分からない」というご相談が増えています。

借地権付きの物件を売るときの注意点

「古くなった家を売りたい」と思っても、借地権付き建物の場合、所有権の物件と少し違います。

売却の流れはこうなります

  1. 地主さんに売却の相談(承諾をもらう)
  2. 名義書換料(譲渡承諾料)などの条件を確認
  3. 不動産会社に依頼して売り出し
  4. 買主との交渉・契約

ここで気をつけたいのが、「借地権の価値がわかる不動産会社に依頼すること」です。
借地権は、一般的な不動産会社では取り扱いが難しいケースもあり、適正価格がつかないこともあります。
経験のある業者を選ぶことが、スムーズな売却への第一歩です。

借地権も大切な財産です

借地権付きの家は、「土地の所有権がないから価値がない」と思われがちですが、そんなことはありません。


きちんと管理・手続きすれば、売却もでき、収益につながることもあります。

まずは「借地権があるかどうか」を確認してみましょう

ここまで読んで、「もしかしてうちも借地権の物件かも?」と思われた方もいるかもしれません。

借地権は、きちんと知っておけば安心して対処できる制度です。

まずは以下のチェックをしてみてください:

  • 親や親戚の持ち家、土地の名義がどうなっているか
  • 地主さんとの契約書があるか(内容がわかるか)
  • 相続のときに何かトラブルが起こりそうか

💡もし「よくわからない」「自分だけで判断できない」と感じたら、借地権や相続に詳しい不動産会社や専門家に相談するのがベストです。

大樹不動産では、「借地権」「底地」「相続」に関係するご相談、共有持ち分などの権利関係が複雑な物件のご相談を常時受け付けております。
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借地権という言葉を少しでも身近に感じていただけたら、うれしいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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